金井度量衡(株)
代表取締役社長 金井 利郎
農業分野における計量、計測技術のお役立ちの可能性は大きいと感じております。
昨今、食糧自給率、産地偽装、食の安全など農業に関しては様々な問題が指摘されている一方で、従来の農業は”勘と経験”重視のアナログ的な面が多く、生産・販売などの農業体系も昔からあまり変わっていないと聞いていました。
しかし、当社が出会った生産者の方達は農業法人となり生産規模を大きくすることは勿論ですが、生産の自動化、作業のマニュアル化、品質のトレーサビリティ化をすることで自社の生産物の高品質化、ブランド化を行っていました。
それとは逆に、個人生産者でありながらもメディアやインターネットなど従来の農業では活用しえなかったツールを有効活用し、個人生産者だからこそできるブランド化を行っている生産者の方もいました。
そのどちらにもいえることは、いかに自分達の生産物をブランド化するかということですが、その手法において当社の計量・計測技術が活用、応用できる分野ではないかと考えました。
気象、分析機器は以前より農業で応用されており、最近では生産の自動化における有効な基盤データとなっております。
また、GIS、リモートセンシングといった技術などは従来は測量の技術でありながら地図上での生産情報の一元管理に有効とされ活用され始めております。
これらの計量・計測技術は生産物のブランド化にあたり付加価値を与えると共に、生産の手助け(マニュアル化、トレーサビリティ化)にも有効であると考えております。
これからの農業は世代交代や農業分野への新規参入企業の進出などが活発に行われていき、”勘と経験”を重視する農業から、計測データを活用したデジタル精密農業に変革していくだろうと考えます。
ただ、その方向性が100%正解かどうか解りませんが、当社の農業プロジェクトをきっかけに諸問題の解決、新潟県の、そして日本の農業の発展のお役立ちに繋がればと思っております。
今後ともご指導よろしくお願いします。